世界各地に広がりをみせるジャパンボウル大会

こんにちは。ジャパンボウル・ディレクターの神尾りさです。ワシントンDC日米協会は、1992年から、米国ワシントンDCで「全米ジャパンボウル大会」を開催していますが、昨年からジャパンボウル大会はアメリカを飛び出し、世界各地で開催されるようになりました。今回はその展開について、ご紹介させていただきます。

2016年より東芝国際交流基金の支援を得て、欧州各国でジャパンボウル大会が開催されました。2016年11月にはポーランド、翌2017年3月には、セルビア、イタリア、イギリスでジャパンボウル大会が初めて開催されました。また欧州以外でも、2017年2月、メキシコにおいてジャパンボウル大会が開催され、米国以外のジャパンボウル大会出場者数の合計は300名にも及び、ジャパンボウルにとって飛躍の年となりました(下の方に、各国の大会の様子を載せてあります)。

欧州各国のジャパンボウル大会は、全米ジャパンボウル大会をモデルとして開催されています。外国語として日本語を学ぶ高校生または大学生が、2名または3名のチームとなり、日本語能力のみならず、日本の文化、習慣、歴史、地理、時事、対日関係などの幅広い分野について、その知識を競いあいます。私たちは、各国の主催者に対し、問題の提供、開催のためのノウハウなどをアドバイスしながら、ともに準備を重ね、大会当日には実際に現地に赴き、指導も行います。

欧州各地やメキシコのジャパンボウル大会では、全米大会と同様、予選の筆記審査の結果、上位3チームが決勝戦に進み(イギリス大会においては予選のみ行われました)、決勝戦は早押し、個人戦、チーム戦で行われました。出題された問題をいくつかご紹介します。

Q: 節分の日に、鬼に向かって投げるものは何ですか。
A:

Q: これは、清少納言の絵姿です。この人が書いた本で、 996 年ごろに出た本の名前は何ですか。日本語、またはポーランドで答えなさい。
A: Makuranosooshi / Zapiski spod wezglowia

Q: 除夜の鐘は、何回鳴りますか。
A: 108回

ジャパンボウルの目的は、外国語として日本語を学ぶ高校生または大学生に、挑戦的でなおかつ日本語学習を楽しめる機会を与えること、知識を試すのみならず、知識を得る場とすること、日本文化の体験や、日本人と会う機会などを提供すること、卒業後も日本語学習を継続し、日本との個人的関係を持続してもらうことなどです。

多くの学習者にとって、日本語を話したり聞いたりする機会は日本語の授業中に限られますが、そのような学習者が年に一度、各地から集合し、それぞれの知識を最大限に活用して切磋琢磨できるのが、ジャパンボウル大会の魅力です。

2017年11月には京都外国語大学の主催で、日本滞在が5年以内の留学生を対象にしたジャパンボウル大会が開催される予定です。また来年にかけて、新しくフランスやブルガリアなどでの開催も予定されています。

2020年の東京オリンピック開催の年には、全世界のジャパンボウル優勝チームが日本に集い、「知の祭典」を開始することを目指しています。

今後とも、皆様からのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

2017年5月30日
神尾りさ
rkamio@jaswdc.org

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ポーランド・ジャパンボウル大会
開催日:2016年11月6日
主催:在ポーランド日本国大使館、ポーランド日本語教師会
会場:在ポーランド日本国日本大使館広報文化センター

メキシコ・ジャパンボウル大会
開催日:2017年2月5日
主催:国際交流基金メキシコ日本文化センター
会場:社団法人日本メキシコ学院

バルカン・ジャパンボウル大会
開催日:2017年3月26日
主催:ベオグラード大学、日本南東欧経済交流協会
会場:ベオグラード大学

イタリア・ジャパンボウル大会
開催日:2017年3月29日
主催:イタリア日本語教師会
会場:Instituto Virgilio, Milano

イギリス・ジャパンボウル大会
開催日:2017年3月31日
主催:ジャパン・ソサエティー (在ロンドン)
会場:マンチェスター大学

メディアによる紹介
2017年3月26日 セルビア現地ローカルニュース (PTC)
2017年4月  1日  時事通信

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