今年度ジャパンボウル最優秀者3名が東京近郊で研修旅行

今年4月にワシントンDCで開催されたジャパンボウル大会で最高レベルの部で優勝した高校生3名(Lynbrook高校)が、Mazda Foundationにより招待され、8月8日~15日まで東京にやってきました。

ジャパンボウルサポーターズグループでは、“日本の伝統工芸を知ってもらおう”、“ホームステイを体験してもらおう”と、この研修旅行の一部に携わりました。その様子をお知らせします。

①日本の伝統工芸に触れてもらう:8月9日(日)
ちょうど東京青山の青山スクエアで「和暮らし大好き!集まれ女匠衆」の企画展が開かれていました。ここで女性職人の実演と体験もできるということで、青山スクエアに集合しました。日本全国の女匠衆達の作品が集められた一画では、脈々と受け継がれている伝統工芸の技法と新しい感覚の形と色彩、何より暮らしの中で実際に使われる伝統工芸品の持つ魅力に引き付けられました。3人の高校生は前日に日本に着いたばかり、しかも東京は連日の記録的な猛暑、さらに午前中は立教大学の学生さん達とお台場に行ったという強行スケジュールをこなしていたので、さぞ疲れたのではないかと心配しましたが、静かに店内を見学していました。
体験は3人の希望で「友禅染」の色挿しに決めました。ここで色挿しをした生地を、後日携帯のストラップに仕上げていただくという段取りです。東京手描友禅の方々の指導を受けながら、3人はほとんど躊躇せず、柄を選び、大胆かつ精密に見事に色挿し作業をやってのけ、指導者や私達を驚かせました。筆の使い方、ぼかしの技法など、日本語の細かな説明もしっかり理解している様子に、流石優勝者!と感心しました。

友禅染の色挿しに挑戦
友禅染の色挿しに挑戦
出来上がり。左の絵柄が表、右の絵柄が裏の模様になる。
出来上がり。左の絵柄が表、右の絵柄が裏の模様になる。
色挿しを体験した生地で作ったストラップ
色挿しを体験した生地で作ったストラップ

最後に青山スクエアのスタッフによる「日本の伝統工芸」に関する説明を受け、この見学を終了しました。元気な彼等はお土産などを買った後、立教大の学生さん達と渋谷へ繰り出して行きました。若さがまぶしい一時でした。そして8月末に可愛いストラップが完成しました。そろそろ帰国した彼らの手元に届いているはずです。

②鎌倉でのホームステイ:8月13日(木)~15日(土)
ジャパンボウルサポーターズグループのメンバーの自宅で、2泊3日の鎌倉での生活を楽しんでもらいました。鎌倉は史跡が多く、お洒落な街並みもあって日本でも有数の人気スポットです。折しもお盆の時期、日本のお盆の風習も体験してもらおうと企画しました。

先ずは鎌倉五山の一つ、寿福寺を見学しました。寿福寺は北条政子が1200年に創建したお寺で、北条政子と源実朝の墓所(鎌倉時代特有の横穴式墓所:五輪塔)があることで知られています。今回アメリカから来た高校生へと、ご住職のお計らいで特別に本堂を見学させていただき、文化財の脱活乾漆造の御本尊や達磨大師坐像を見ることができ、付添いの私達も感激しました。その後、裏手のお墓で日本のお墓参りを体験してもらい、さらに北条政子のお墓にも足を延ばしました。日本の歴史に詳しい普段はおとなしい学生さんが、北条政子と聞いたとたん、目を輝かせて記念撮影をし、源頼朝、義経とどんどん名前をだして、室町、鎌倉時代の話に発展、その博識ぶりを披露してくれました。夕方からホームステイ先のお庭でバーベキュー、夜には”お迎え火”の風習を見学してもらいました。翌日は報国寺や大仏殿を見学し、午後はお盆の法要に臨席してもらいました。その後、妙本寺やその近辺を散歩、気に入ったお店を見つけて3人は最後の買い物を楽しんでいました。

翌日、無事研修旅行を終えた3人は、大きな荷物を抱え、成田から帰国の途に就きました。彼らが何をどう感じたのかは、詳しくは分かりませんが、記録的な猛暑の中で、疲れも見せず元気に過ごしてくれて私達もほっとしました。日本語の堪能なこと、日本の歴史への興味と知識の多さに感心し、率直さと細やかな気遣いのある態度が印象的な、爽やかな高校生達との交流で、私達もたくさんの元気をもらいました。どうかこれから日米親善の担い手になって欲しいと心から思っています。